旅をしながら、自然とともに生きる

北海道から沖縄へ移住して、暮らしの中で感じたことを。

浦添市森の子児童センターの取材を終えて

 

「地域にいるさまざま団体との連携を図りつつ、地域でつくる地域の未来」

 

大城喜江子さんが館長を務める「浦添市森の子児童センター」では、小中高生を対象に、無料で、学校の提出物や宿題のサポートを行っている。テスト対策や受験勉強も基本的には学校の教材を使用している。子どもたちに対して夕食の提供も行っているが、これは子どもたちの今後の将来を考えた上で行っている。

 

家庭にはそれぞれの事情を抱えているからこそ、それを少しでも地域の人で支えていく必要がある。その時に子どもに寄り添ってあげることが大切。

 

去年、行われた「勢理客避難訓練!」は、神森中学生が自ら動き、地域の人を巻き込み、成功を遂げている。

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大城さんは、「私たちはあくまで意識づけのきっかけづくりや子どもたちが何かやりたいことがあれば、影から全力でサポートする。その何かをする時はそれまでの過程が大切。」とおっしゃっていました。

「子どもたちの様子は、常にメンバー同士で情報共有しながら、遠い将来まで考えて、ひとりびとりを大切に、その子に合った対応の仕方が大切であること。」

現在では、生徒保護者・浦添市グッチョブ連携協議会事務局・侍学園沖縄校・自治会・PTA・民生員・大学・企業・行政・NPO法人といった地域のさまざまな団体と連携し、沖縄の子どもの未来のために奮闘されている。 


○今後の展望について
「切れ目をつくらない継続的なキャリア教育」
浦添市は、児童センターがすべての小学校区ごとに設置されており、中学校卒業後も児童センターとつながる仕組みをつくり、地域の包括的な支援によって子どもたちの自立を促す体制を構築する。

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地域型就業意識向上支援事業の活用
各地域に「地域の子どもたちを地域全体で育成する」仕組みを構築することにより、地域全体の就業意識向上を図る県民運動(学校や地域を中心としたキャリア教育を「産学官・地域連携」の仕組みを使って主体的に実施する際に補助金を交付し、活動を支援する)。
しかし、補助金は期限があるため、補助金がなくなった後に継続的に運営できるような仕組みづくりが大切である。
この事業を活用し、「協議会設置」・「事業実施」を行う。

①協議会事務局の運営:子ども・若者の「経済的・社会的自立」を行政機関・様々な団体が連携し実現することを目的として運営。

浦添市内の中学生に対して、お仕事調査隊の実施:商工会議所と連携し、お仕事調査隊の実施し様々な職種を知る。

浦添市を発信するグローカルリーダーの育成:浦添市を愛する心とグローバルな視点を併せ持ったリーダーの育成を目指す。

④市内の中高校生を対象とした就業意識調査:専門家からアドバイスを頂き、中高校生に対して、アンケート調査を実施する。

⑤グレートジャーニー関野吉晴氏による講演会の実施:地域を愛し、世界を見る関野吉晴氏による講演会を市内で実施する。


○取材全体を通して、私たちが感じたこと。
子どもたちの家庭でも学校でもない居場所。自分が小さかった頃は、児童館の存在を知らず、学校と家庭の往復を毎日繰り返していた。もし、家庭で親と喧嘩をしてしまい、学校でも嫌なことがあった時、どこにも自分の居場所がないと感じた場合に、自分にはいく場所がなかっただろうなあと思いました。
自分が小さかった頃にも、こんな児童館が近くにあればよかったなあと思いました。子どもたちは住む場所を選ぶことができない。だからこそ、地域や家庭や学校といった環境で、どのように支援していくかが今後も大切だと思う。

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大城さんは、最初から最後まで、私たちをうちわで扇いでくれながら、「ここ(児童センター)は、子どもたちにとっては、居酒屋的な場所なのかもしれない。」と笑いながらおっしゃっていました。これからも子どもたちの声に寄り添い、子どもたちからの自発的な活動があれば、全力でサポートをしてくそうな温かさを感じました。

 

最後に取材に協力して頂いた大城さんをはじめ、浦添市森の子児童センターのみなさん、どうもありがとうございました。